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●"取りあえずミュージック"の先へ…
Update '00/02/06
● 才能?素質?ヤル気?努力? そして頑張れ!」
Update '99/12/25
                    
                    
Update '00/02/06
●"取りあえずミュージック"の先へ…

    (音楽としての魅力)

 街を歩いていて素敵な女性とすれ違えば、目をとめたり振り返ることって多いでしょ(私の場合はよほど忙しい時を除いてほとんどですが(笑))。そこまでなら罪にはならないんだろうとも思ったりして…。
 服装や化粧に始まってスタイル・ふるまい・雰囲気など、いずれにせよこの時点では外面的な情報が中心になるわけだけど、彼女たちはそれぞれにいろんな魅力を振りまいて通り過ぎて行ってくれますよね。それも同じような要素による魅力でも、ベース(土台)がちがえば(ひょっとして失礼な表現してるかな?)別の魅力になっていたりして素敵です。最近では女性に限ったことではないみたいだけど。

 きょうのテーマからすると上記と相対する位置にあるのが、話をしたり一緒に作業をしていてその魅力を発揮してくれる人たちです。どちらかと云うと内面的な要素でね。それこそ女性に限定した魅力ではなくなってくるわけですが…。

 さて本題に入ると、曲を作って/演奏して/そのメッセージに魅力的な説得力を加えたいと思う時(思わない人にはきょうのテーマは要りませんよ)、これから触れるいくつかのこともちょっと考えてみてくださいね。
   
   
としさんの恋人(昼)
Poul Pacotto "1991"
● 自分の魅力(とくに音楽上の)ってなんだろか?
 たとえば上記の女性の魅力に置き換えてみたら、あなたのそれはどんなところ? 誰にだって必ずあるはずのことなんだけれど、ある程度は自分で認識できてる?「自分の魅力なんて自分では…」とおっしゃる謙虚なかたは、どうぞ第三者の評価をいっぱい耳にして、自分の魅力の断片でも把握しておくことをお奨めします。多くの音楽ファンの評価ってこの外面的な部分が圧倒的に多いんだけれど、自分を、もしくは自分の作品を見直してみたい時に、とっても大切なポイントになってくれますよ。
 そしてこの外見部分って、いわゆる"おしゃれ"と一緒で楽しくて上達も早いところです。一例を上げてみると「ギターのパっセージがかっこいい」「ドラムやリズムセクションが大得意」「ビートが効いててしびれる」とか、クラシック系なら「ピアニスティックな伴奏が書ける」「オブリのからみがうまい」「ハーモニーがきれい」等々…。
 たまに出会う達者なメロ書きさんは、その次元である程度の表現ができてしまうためかその才に溺れて(笑)、なかなか他の手段に気がまわらないことが多いみたいです。さらに趣味の問題を棚に上げて蛇足すると、音の色(和音の選択や結びつき)についての私のお手本は、いまだにシューベルトです。自分と云う土台の中でそれをどう生かすのかは、自分の責任で消化させて行くわけですが。
   
としさんの恋人(夜)
   
責任と言えば、
● 曲中に採用した諸材料に意味や関連を持たせることができていますか?
 もちろん「つながりがない」ことを魅力に転化させてしまうこともできるわけだけれど、曲中の材料の多くがそうであれば、結果「まとまりがない」ということになってしまいます。その曲の制作において、最大権力者であると同時に最大の責任をも負うのが作曲者(つまりあなた)なんです。

● 最初から最後までうんうん唸って苦労してませんか?
 絵でも写真でも、あれもこれもと盛り込まれている作品は「どこを見たら良いのか」「何を言いたいのか」判らなくなってしまうでしょ。もし魅力を感じる材料を生み出したり見つけたりしたら、その魅力を何倍にも拡げる工夫に力を注いでください。「あんな魅力」「こんな魅力」が散在している作品ではなくって、作品のどこかに置いた魅力の断片から始まってだんだんと凝集させて行ったり、逆に冒頭に提示した魅力がどんどん変形したり崩れて行ったり…とかね。インストものはもちろん、歌詞があっても問題なく進められる作業ですから。

 散漫ながらもどうにか曲としてまとめられてる作品はけっこう多くなって来てるように思います。こんどは是非、その純度を高める作業にも時間を割いてみてくださいね。もしあなたが乱れた長髪をかきむしりながら、感覚的な作業に時間を浪費してしまっている作曲家だったら(感覚的な作業も一部では重要なんですよ)、この作業は新しい世界をいくつも増やしてくれることと思います。そしてメッセージとしてもよりはっきりして、説得力が生まれて来ることと思いますよ、きっと。
   
b y と し 
   
   
今回の Photo は当工房の超美人、Poul Pacotto の"1991"です。上は昼間の彼女、下が夜の彼女です。どうです?魅力的でしょう…。
   

   
   
                    
Update '99/12/25
● 才能?素質?ヤル気?努力? そして頑張れ!


 今年は前代未聞の秋シーズンになってしまいました。 講座メールは遅れながらも維持してましたが、「犀星ルーム」の更新や掲示板を除くと、まる4ヶ月あまり手つかず。 メール等では多少事情に触れて謝罪を続けていましたが、申し訳ありませんでした。 きのうまで、恐らく年内最後になるであろう飛び入りの仕事にかかっていて、やっと更新します。

 当管理人にはその昔、ある事情から破門を言い渡した(?)師が一人います(笑)。 わたしたちの日々使っている言葉って、その発言が影響を及ぼすであろう範囲において都度それなりの定義がなされて使われている限り、どんな言葉をどう云う意味に使っていたとしても良いのでしょうが、その「もと師」もそれなりにきょうのタイトル中の才能と素質を使い分けていたようです。 ある日のレッスンで「… おまえ、素質あるな!」(言葉そのものは忘れてしまいましたが)の趣旨のことを言った後に、弟子の思い上がりによる将来への影響を懸念して、彼の使った言葉の正確な伝達にかなりの時間を費やしていました…(笑)。

 私がタイトルした言葉の定義はごく一般的かも知れませんし、きょうのこの欄を読み進んでもらうことで、そう迷うことなく理解してもらえるものと思っていますが、いま私のそばでも、いい意味でその素質を見せつけてくれたり、ドキっとさせられるような才能を発見できたりする日々が続いています。 それはレッスンであったり、スタジオ内であったり、ネットからであったり、様々なシチュエーションから生まれて来ているんですが …。 さらに、そこに「根性」と云う言葉で置き換えてもいい「ヤル気」をプラスさせて見せてくれている、若いエネルギーもあります。
 そうしてもうひとつ! ヤル気の次に当然来るであろう、やれそうでいてほとんどの人がやれないでいる(やり続けられないでいる)大切なこと。 その実行=「売込」と自分のやったことの「管理」となると、まだまだみたいです。 きっと自分では目いっぱいやってるつもりなんですよね、みんな。 でも、ほとんどの場合やっているのは後述するクリエイティブな作業のみのようです。
   
   
 きょうここでは、主としてプロフェッショナルな方向を目指そうとしている人たちへの話として進めているんですが、大変ではあっても面白さも魅力も充分にある多くの人が大好きなクリエイティブな作業(趣味でやる作業もほとんどこれです)と、その売り込みの作業は少なくとも同じ比重で重要なんです。 「少なくとも…」と表現したのは、売り込みの方をより意識していないと、結果的に趣味でするのと同じ楽しい曲作りの作業ばかりに終始してしまって、「なんで俺の曲は世に出ないんだ?」「どうやったら喰って行けるようになるんだ〜?」と云う類の、やらなければならないことをやらずにグチをこぼす(失礼!)毎日になって行くことが必至だからです。
 もちろんこの話は、たくさんの練習や努力を重ねることで身について来た、ある程度のレベルの作品を作ることのできる力量と、そして幸いなことに素質や才納に恵まれている場合の話と云うことになりますが…。 ただ「うゎ〜!才能あるなぁ」と感じさせてくれる作品や人に巡り会うチャンスはたまにしかないのですが、反対に音楽が好きで好きでしかたなくて「俺、ミュージシャンになりたいんです!!!!!」と言う人やその作品の8割以上に、「こいつは素質ある!」を感じます。 ここでの言葉の定義も少しはっきりしてきたでしょう?

 で、趣味で楽しもうと云うことであれば、いつでもどんな形であってもその人に適したスタイルで音楽に接して、その魅力を享受し続けて行って欲しいと思いますが、少しでも「専門的に」「職業的に」を目指したいと云うことで出会った人たちにもしその素質を感じなかった場合、私は「やめること」を奨めています。 あくまでも趣味でやって行くのなら関係のないことなんですよ!

 そこで! 以下、私信に見える部分はあてはまるところをご自分に置き換えて読んで行ってほしいのですが、いま努力が実らずに苦労を強いられている、素質があって、ヤル気もあって、売り込みが中途半端なAくん、Bさん!、そして素質は未知数だけど(笑)才能に恵まれて頑張ってるCくん、Dさん、そしてE(キミだけは敢えて呼び捨てします!)。 バイトを続けてのキツイ生活は、いまの若い子たちの望む方向とは正反対なのだろうけれど、負けたらだめだよ!
 バイトで過ごすのはもちろん生活のためもあるけれど、自分の時間に融通を効かせるためと、売り込み活動の時間を取り易くするための手だてでもあります。 現実の厳しさ辛さに目的を見失わないように「本業:売り込み屋」のミュージシャンになって行ってください。 弱音をはきたくなることもついて回るでしょう。 でも、それは先々へのサイクルのひとつですよ!それがいつもじゃないんだから。 そしてその分、何らかの形で大なり小なりの評価が返って来た時、みんなの嫌がる作業もやって行った人にだけに許されるはかり知れない喜びと、それはそれは大きな感動が待ってます。 最近はやりの宗教的な発言ではないですよ(笑)。
 その証拠にそれが即、実績(のひとつだね)と報酬に結びついて行く訳だから。 ただ、いつまでも評価が得られないことだってあるのも事実です、忘れずに! まぁ「世の中そんなに捨てたもんでもないかな?」って云うのが私の実感ですけれど …。
 ポッと出のある種のスターだけが夢の人にもやはり、必要のない話だったんですけど … ね。

 きっと次の更新は来年です(笑)。 また一緒に歩いて行けるかな? そうしたいね。
   
b y と し 
   
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